瓦Q&A

瓦についての疑問・質問にお応えします!

性能編

三州瓦と他の瓦、屋根材との違いは何ですか?

三州瓦は、天然の粘土を成形して焼き上げる粘土瓦です。粘土瓦は、優れた断熱性を持ち、セメント瓦や石綿スレート、金属などの屋根材に比べて、快適な室内環境を保つことができます。中でも三州瓦は、安城・豊田・瀬戸や矢作川の河口で採掘した良質な粘土を、1130℃の高温で13~16時間かけてじっくり焼きしめることで、より高い耐久性を確保した瓦です。豪雨や凍害に強いことはもちろん、30年以上は葺き替えの必要がなく、トータルコストも他の材質の屋根材より低く抑えることができます。

瓦屋根が「夏は涼しく冬はあたたかい」のはなぜですか?

瓦は、その材料特性と厚みによって、外からの熱を瓦の中に蓄えることができます。そのため、真夏の強い陽射しや熱気も瓦面で遮断でき、室内環境を快適に保てるのです。また、瓦は屋根面に直に葺くのではなく、桟木と呼ばれる基礎の上に葺きます。桟木には、瓦を固定すると同時に屋根面との間に空気層を作る役割があります。この空気層が断熱効果を生み、冬の暖房熱を逃さず温かさをキープしてくれるのです。

地震や台風に強い屋根にするためには?

風雨や揺れの被害を防ぐためには、屋根全体の軽量化を図り、瓦を建物にしっかり固定することが重要です。そこで現在は、かつての「土葺工法」より屋根の重量を1/2~1/3に軽減できる「引掛桟瓦葺工法」が多く採用されています。より一層の安全を確保したい場合は、瓦を1枚ずつ釘打ちして固定する「耐震・強風特別工法」を行うこともあります。瓦にも、より耐水性・耐衝撃性を高めた防災瓦がありますので、一度お問い合わせください。

雪の多い地方でも大丈夫ですか?

積雪の多い地域というと、その軽さから金属屋根が最適と思われる方が多いようです。しかし、東北地方などの豪雪地帯でも金属屋根が大半を占めているわけではありません。耐寒性・断熱性の面では、むしろ瓦屋根の方が優れています。つまり、積雪に強い施工法を施しさえすれば、十分に美しい瓦屋根の家を新築することができるのです。施工法に関しては、瓦にメタルをかませる、雪の重みを軽減するために軒下を浅くするなど、気候風土の違いから地域によってさまざまな工夫がなされているので、地元の屋根工事店にご相談されることをおすすめします。

酸性雨による劣化が心配ですが?

三州瓦は酸やアルカリなどの化学物質にも強く、酸性雨が多い地域や塩害を受けやすい海岸部の環境にも十分対応できます。色あせや劣化を招きやすい金属屋根や石綿スレートなどに比べると、メンテナンス費用のかからない、より経済的で安心できる屋根材といえるでしょう。

デザイン編

瓦の形にはどんな種類がありますか?

瓦の形は、平瓦と上にかぶせる丸瓦がセットになった伝統的な「本葺き瓦」、本葺きの平瓦と丸瓦を1枚の瓦にした「J形」、平らな板状デザインが特徴の「F形」、上丸瓦と下丸瓦の2ピースで構成される「スパニッシュ」、「スパニッシュ」の2ピースを一体成型した「S形」に大きく分けられます。また、それぞれに、棟や軒に使われる「棟瓦」「軒瓦」などの「役瓦」があります。とくに、「本葺き形」「J形」などの伝統的な和瓦には、「鬼瓦」をはじめ、意匠を凝らしたさまざまな役瓦があり、より風格に満ちた屋根を演出できます。

屋根の形にはどんな種類がありますか?

屋根の形は、大きく分けて、2つの傾斜面からなる「切妻(きりづま)屋根」、屋根の最上部にある「大棟」の両端から四隅へ棟が降りている「寄棟(よせむね)屋根」、上部が切妻のように2方へ傾斜し、下部が4方へ傾斜している「入母屋(いりもや)屋根」があります。屋根の形は、立地上の制限などが無ければ、予算と好みに応じて自由に選ぶことができ、工事費用は、切妻、寄棟、入母屋と複雑になるほど高くなります。あまり複雑な形にし過ぎると、強度や防水性が低下しますので、注意が必要です。

瓦の色や形は何を基準に選べば良いですか?

瓦を選ぶ際は、外壁の色や素材など、住まいとのトータルバランスを考えることが重要です。工務店や屋根専門業者が持っている施工例をご覧になれば、イメージも固めやすいと思います。また、屋根は街の景観の一部になりますから、周囲の街並みへの配慮も必要です。「街並み協定」が結ばれていたり、自治体で景観条例を定めている地域もありますので、専門業者のアドバイスを受けながら選ばれることをおすすめします。

瓦の色を複数使うことはできますか?

同系色の瓦を複数色使って屋根を葺くことを「混合葺き」といいますが、近年では、単色に比べ、より表情豊かな外観に仕上げることができるこの葺き方を希望される方も増えてきました。サンプルの瓦を見るだけでは、イメージが湧きにくく、施工終了後にトラブルを招いてしまう危険もありますので、施工例をじっくりご覧になって選ばれることをおすすめします。

洋風の家にも合わせることができますか?

もちろんです。瓦というと和風建築の落ち着いた「いぶし瓦」を想像される人も多いと思いますが、現在では形も色もバリエーション豊かにラインアップされています。三州瓦でも、建物デザインの多様化に対応して、洋風建築にマッチするタイプが幅広く揃っています。

施工編[瓦屋根標準設計・施工ガイドラインに基づいて施工をしてください]

坪当たり何枚の瓦が必要ですか

屋根の形状によって異なりますが、三州瓦の「J形」で約53枚、「F形」で約40枚、「S形」で約49枚です。

屋根勾配はどれくらいが適切ですか?

粘土瓦の場合、屋根勾配は最低でも4寸以上は必要です。また、あまり勾配を緩くすると、雨漏りの原因となりますので、ご注意ください。勾配の緩い場合は、ご相談ください。

瓦屋根はどれくらいで葺き替えが必要ですか?

地域の気候風土によって多少の違いはありますが、通常、三州瓦のような粘土瓦の場合、きちんとしたメンテナンスを行えば30年以上は持ちます。しかし、長い年月の間には、瓦に割れやズレが生じてしまうこともあります。5年に1度は工事をした工務店または屋根専門業者の診断を受け、ご判断ください。

「葺き替え」と「葺き直し」の違いは何ですか?

「葺き替え」は、使用が難しくなった屋根材を下地から全て新しいものに替えることです。一方「葺き直し」は、ズレたり、浮いたりしてきた部分を既設の屋根材を使いながら施工し直すことで、下地に問題が起きている場合がほとんどです。どちらの工事を行うかは、工務店や屋根専門業者に相談しながら判断されるとよいでしょう。

瓦以外の屋根材から瓦に葺き替えることはできますか?

基本的に、既設の屋根材がセメント系の厚形スレートやコンクリート瓦の場合は粘土瓦に葺き替えることが可能です。しかし、鉄板葺きの場合、屋根勾配が緩かったり、屋根を支える柱の強度が低かったりして、構造的に粘土瓦が使用できないケースがあります。専門業者にご相談されると良いでしょう。

葺き替えにはどんな費用がかかりますか。また、工事内容や立地条件によって費用は変わりますか?

屋根葺き本工事のほか、下地材・野地板補強・板金工事・足場などの付帯工事費用がかかります。値段は、屋根材の種類や葺き替えを行う面積、屋根の形状によって異なり、耐震・耐風工法、特殊下地処理、雨とい取り替えなどの別途工事を行う場合は、その分の費用が加算されます。また、狭小地などでは、材料の搬入・搬出に人手がかかるため、割高になる場合があります。

葺き替えの依頼から着工までの流れは?

工務店や屋根専門業者に依頼をすると、一般的には下見が行われ、お客様の要望も交えて見積もりが提出されます。そして、条件が合えば、金額、支払方法などが決定し、葺き替え工事の開始・終了日が決まります。既設の屋根材の降ろし作業などもあるので、新築より見積もりは細かくなるはずです。請求金額などでトラブルを起こさないよう、不明な点があればその都度質問し、ちょっとした追加工事でも書面による契約を行ってください。

葺き替えの工事期間はどのくらいですか。また、家具など室内のものを移動させる必要はありますか?

好天が続いて連日工事を行えた場合、粘土瓦屋根で約1週間といわれています。また、屋根の葺き替えといっても、屋根を取り払ってしまうわけではありませんので、家具を移動したり、仮住まいを探したりする必要はありません。

工事中に雨が降っても大丈夫ですか?

屋根工事店は、常に天気予報に注意しながら各工程を進めていきますし、既設の古い屋根材を降ろしても、すぐに下葺材を施工するので家財などが濡れてしまう心配はありません。万が一、工事中に雨もりを起こして室内を汚してしまっても、施工業者が全瓦連の第三者賠償共済制度に加入していれば、保険会社によって屋根工事中の第三者(対物・対人)に対する損害賠償がなされます。

葺き替え前の屋根材の処理はどうすればよいですか?

屋根工事店がすべて持ち帰るのが原則です。見積りに「廃材処理費」の項目が入っていない場合は、どう処理するのか確認してください。信頼のおける工事店であれば、見積りの中に明記してあるはずです。

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